AMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム協力医療機関として南海トラフ地震など発生後、徳島県美波町に支援に入る予定の公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院(岡山県倉敷市)は、2月8日、同病院の職員を対象に、南海トラフ災害対応に向けたオンライン講演会を開催。AMDAのほか、美波町国民健康保険美波病院や徳島県美馬市にある医療法人芳越会、そして倉敷中央病院と同じく、南海トラフ災害発生後に徳島県内に支援に入る予定の医療法人伯鳳会はくほう会セントラル病院、組合立諏訪中央病院、諸國眞太郎クリニック、独立行政法人国立病院機構福山医療センター(五十音順)が参加しました。
昨年12月に続き今回2回目となる講演会では、参加医療機関担当者の自己紹介の上、倉敷中央病院総合診療科 國永直樹医師より、「『AMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム』を通し、自治体と活動予定医療機関という縦のつながりだけでなく、協力医療機関同士の横のつながりでも、オンラインで顔の見える関係を作り、現場となる避難所などでも少しでも役立つことができれば」、というご挨拶から始まりました。当日は、以下3件のプレゼンテーションが行われました。
- 「ロジスティクスの概要」 倉敷中央病院 竹岡修氏
医療支援チームに欠かせない業務調整員「ロジスティクス」の説明 - 「美波病院 NOW」 美波病院 本田壮一院長
新型コロナワクチンの集団接種含む新型コロナウイルス感染症対策や高齢者医療(地域包括ケア)などに取り組まれている美波病院の現状について - 「南海トラフ災害発生時の多数傷病者対応」 倉敷中央病院 國永直樹医師
平時の緊急モードとは異なり、限られた医療資源のもとで最大多数の傷病者に最善を尽くす「災害モード」への切り替えの重要性などの説明
講演会の締めくくりとして、國永医師より、「災害は急性期だけでなく、避難所から家に帰るまでだと考えている。今後は復興も考えた中長期の支援に向けても勉強会をしていけたらと思う。」と述べられました。次回の開催は5月を予定されています。2020年度以降、コロナ禍のため、協力医療機関の方々が集い、情報共有を行う「AMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム調整会議」の中止が続いています。それでも、南海トラフ災害への備えとして、災害発生前から知識の共有を行うなど、自発的に取り組まれている倉敷中央病院の皆様、そしてオンラインでも災害対応をともに考えていこうと、今回の講演会にご参加になられていた医療機関の皆様に、私どもも感謝申し上げます。AMDAも医療チーム派遣に際し、更なるアップデートが必要な状態です。今後も、皆様それぞれがお持ちのノウハウやお考えなどを共有いただきながら、一緒に南海トラフ災害に向け取り組みたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。