具現化から3年。今までとこれから。 Vol.2

AMDAプラットフォーム通信・創刊号特別コラム
AMDA菅波代表

国連の総合協議資格を持った唯一の日本のNGOとしての使命

そこで、AMDAのネットワークを使った海外からの支援物資や医薬品の調達、海外の医療チームの受け入れの準備も進めています。直近ではシンガポールに拠点を置くラッフルズ・メディカル・グループとの連携協定を締結しました。さらに、欧州日本人医師会をはじめとした日本人医師らとの連携強化も進めています。
また今年1月には岡山経済同友会の松田代表幹事とともに、国連関係機関を訪問し、南海トラフ地震についての国の予想や本プラットフォームの取り組みなどについて「災害事前準備」という発想を示すことができました。

UBS銀行からも事前融資

実際に災害が発生した際の、支援活動資金については「事前融資枠」というものを高知銀行、阿波銀行、中国銀行の3行で設定してくださっており、初動の活動資金の要となります。さらに前述の国連諸機関の訪問の時には、世界最大規模のUBS銀行からも事前融資枠についてのお申し出をいただくことができました。本当に心強いバックアップです。

事前交流も新たなステージへ

次のじゅうんび段階としては、地域と地域をつなぐ「住民同士の事前交流」です。AMDAが行うのは避難所での医療。つまり避難所で過ごすことになる住民との相互理解が必要不可欠です。そこで、来年の夏「踊って踊って相互扶助 世界ダンスフェスティバル」を計画中です。災害弱者といわれる在日外国人、子ども、高齢者、障碍者の方にも参加していただき、住民同士の言葉を超えた交流を図ります。「支援を受ける側にもプライドがある」これはAMDAがこれまでの活動で経験した事実です。被災者の方々のプライドに寄り添う支援の在り方を模索する中、この住民交流をひらめきました。災害といえば「悲しみの共有」ですが、こうした「喜びの共有」を事前に重ねることで、災害発生の際には、気持ちよく「ありがとう」が言える関係が構築でき、起こりうる災害に、多面的に備えることができます。

引き続きAMDA南海トラフ災害対応プラットフォームへのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。